ニールス・クリスチャン・ヴィッツ教授の悼辞

ニールス・クリスチャン・ヴィッツ 南デンマーク大学教授(スピリチュアル・ケア)

† 2024年9月25日

ヴァスーラ・リデンは、現代において最も著名な、預言的使命を持つ神秘家でした。複雑な手術の後、9月25日に亡くなられました。二人のご子息がおられ、彼女が世界に伝えたメッセージには何千もの読者がいます。彼女の死は、私たち皆にとって大きな損失です。

ヴァスーラ・リデンは1942年、エジプトでは少数であるギリシャ正教徒の家庭に生まれました。アレクサンドリアで育ち、その後スイスのローザンヌで生活しました。スウェーデン人の国連外交官と結婚し、絵画やテニスなどに関心を持ちつつ、外交官の妻として生活していました。1985年11月28日、彼女は初めて守護の天使ダニエルからの啓示を受けました。その後、父なる神、イエス・キリスト、聖霊、聖母マリア、他の天使や聖人が彼女に語りかけました。合計で13巻にわたる啓示を記録し、40以上の言語に翻訳されました。85か国以上で1,170回以上の講演を行いました。

ヴァスーラのメッセージは、「一致」を中心にしています──私たちの創造主であられる神と人との一致と調和、家族の一致、世界の一致、教会内の一致、諸教会の一致、そして最終的には人々と諸宗教の一致です。世界では高い離婚率や諸教会間の新たな対立、地球上の住民の間の新たな対立が見られる中、この一致への呼びかけは遠い目標のように思えるかもしれません。しかしキリスト教会の一致に関して、キリストはメッセージの中で、ユリウス暦とグレゴリオ暦で異なっている復活祭の日付を一つにするために私たちが祈り、働くことによって最初の一歩を踏み出すなら、主が行われると約束されています。2025年、復活祭は両方の暦が一致することにより、共に祝われることになります。その後も一つの共通の復活祭を続ける方法を教会の指導者たちが見つけられるよう、私たちの多くが祈っています。

ヴァスーラは教会の一致が困難であることを知っていましたが、教会の一致を先取りして味わう方法を見つけました、それは超教派の黙想会や巡礼を通してです。私たちは構造的に一つの体となり、統一された典礼を行うことはできないかもしれませんが、共通の信仰の実践を通して、教派を超えた友情を通して、共に祈り、信仰を分かち合うことができます。ヴァスーラはこれを恐れることなく呼びかけ、私たちの多くがその恩恵を受けました。教会の一致は、何十年も意識的に追求された使命であり続けました。残念ながら、私たちはまだキリストの大祭司としての祈りを実現できていません。「……父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください。彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。そうすれば、世は、あなたがわたしをお遣わしになったことを、信じるようになります」(ヨハネ17・21)。「神のうちの真のいのち」のメッセージのかなり初期の頃から、キリストはキリスト者の一致の緊急性と重要性を繰り返し強調しておられることを私たちは以前から知っていました。「私の体は麻痺するほどの傷を負っている。」(1987年6月21日)。

巡礼への呼びかけに加えて、ヴァスーラはベス・ミリアムを通じて、世界の最も貧しい人々を助けることの緊急性を感じていました。現在、世界中に33か所のベス・ミリアムがあり、寄付によって維持されており、管理のための財政的負担はありません。

ヴァスーラは(歴史上のすべての預言者と同様に)矛盾の象徴でもありました。彼女は無神論者や合理主義者に反対され、神の現実と、世界への愛に満ちた願いについてのメッセージを世界に伝えるために、神が普通の女性を選ばれたことを認めたくない一部の教会当局者たちからも反対されました。すべての預言者たちと同様に、彼女は存命中に教会の承認を受けることはありませんでした。それでも彼女には、全教会から支持者を得ていました──信徒から枢機卿や総主教に至るまで。彼女が存命の正教会の神秘家として、カトリック教会の信仰教理省と対話を持ったことは歴史的な出来事でした。この対話は2002年から2004年にかけて続き、1995年の通達で教理省が提起した重要な問題についての解明がなされました。具体的には、ヴァスーラはこちらで読むことができるより詳細な回答によって、これらの質問に対して回答を行いました。この対話は、彼女の回答に照らしてその通達を読むように呼びかける長い書簡を教理省が司教たちに送る結果となり、これを受けて、アルグエリェス大司教とフェリックス・トッポ司教が「神のうちの真のいのち」のメッセージに権威筋の承認と印刷許可を発布しました。これらはメッセージにカトリックの教義、信仰、道徳に反するものがないことを示しています。

ヴァスーラの最大の、そして永続的な影響力は、彼女が伝えた神のメッセージを読み続ける世界中の人々の中にあります。メッセージには大きな力と深みを持っており、初期のメッセージと後年のメッセージを比較すると、非常に大きな霊的成長が見られます。これらのメッセージは、聖書の公的な啓示を超えることを意図するものではなく、現代のために神の言葉を再度強調し、実現するものです。メッセージは聖書の真理と、私たちがそれを生きるのに失敗している領域を思い出させます。多くの読者が、メッセージを読むことで、神が霊のうちで御自身を明らかにされると信じるようになり、神が今日も語っておられるように、「神の言葉は、その通りに実現する」と認識するようになりました。メッセージは、古典的な「レクティオ・ディヴィナ」(神の言葉を黙想的に読むこと)のように、私たちをキリストと、その御意志に結びつけます。

1992年7月8日、神はヴァスーラに言われました。「私とあなたで、私のメッセージを広めよう。あといくつかの国々に遣わす、そして、あなたは使命を果たし終えたら、私のもとに戻ってくる。私自身があなたを迎えに来る」。これは成し遂げられました。ヴァスーラの記憶に栄光がありますように、そして生涯にわたる「一致」の使徒職の後、彼女を神のもとに召された神に栄光がありますように。

ニールス・クリスチャン・ヴィッツ Th.D

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