2019年ギリシャ巡礼・マハテロ師の講話

2019年ギリシャ巡礼・マハテロ師の講話

スッダーナンダ・マハテロ師
バングラデシュのマハーニカイ派仏教の大僧正

バングラデシュ、ダッカのブッダ・クリスティ・プラチャール・サンガ会長
2019年「神のうちのまこと のいのち」ギリシャ巡礼にて

高名なるヴァスーラ・リデン様
枢機卿猊下、司教聖下、神父様、聖職者、修道者、神学者、信徒の皆様

まず始めに、皆様全員に深い敬意の念と、心からのご挨拶をお送りします。世界の多くの場所から啓発された方々が集まるこの重要な集会に参列することは、私にとって本当に喜びであり、大きな栄誉です。高名なるヴァスーラ・リデン様と「神のうちのまこと のいのち」に献身しておられる主催者の皆様に、心から感謝いたします。皆様は、平和と一致をたゆまなく推進されておられるのです。なぜなら、私をこの歴史的な集会に招待してくださり、このような祝い事の時に、一言お話しする機会を与えてくださったからです。非常に高潔な人々が全世界の隅々から集まっておられるのを見て、大変感銘を受けております。

どのような対立を解決するにも、お互いの信条と信仰に敬意を払うことが非常に大切な一歩となります。これを行うには、すべての宗教の間で、異なる宗教間のより良い理解を推進する必要があります。これは、皆が他者の信条に対して互いに配慮し、敬意を払う時に達成することができます。さらに、共通の観念を分かち合う必要もあります。相手側の信徒たちをより理解することができるように。
あらゆる宗教が、精神を制御し、理解することの重要性を強調します。利己心やその他の争いの元となるものを抱く精神を。すべての宗教は、平和的で、自制心があり、道徳的で賢明な精神的状態へと導く道を描くのです。

皆さん、

「互いへの神的な愛は、私たちを共に神における一致へと結び付ける」というテーマは、今日の状況において、非常に時宜にかなっており、適切なものです。愛とは、強く、肯定的なさまざまの感情的状態、心理的状態を包含します。それは最も崇高な徳、あるいは良い習慣、最も素朴な喜びを感じる、人と人と間の深い愛情から来るものです。私たちのほとんどにとって、愛はあいまいなものです。愛について語る時、それが何を意味しているのか分かっていません。愛とは、ある人が他の人に対して取る最も崇高な選択です。また愛は、人間の親切さ、思いやり、そして好意であり、「他者の利益のための、非利己的、誠実かつ親切な関与」と考えられます。それはまた、他の人間、誰かのため、あるいは動物に対する思いやりと愛情のこもった行為と説明できるかもしれません。

神的な愛は、全宇宙における最も偉大な贈り物です。それは幸福になるという人類の夢を実現させるために助けとなるどんなものをも超越し、その夢自体を解決してしまいます。ある学者の方が、「神の心は知恵と愛との結合を祝福され、それを霊の上昇と呼ばれた」と述べました。個人の意識の中で知恵と愛が結合するとき、人間は真理の所有者となり、本来の創造の法則のもとで、それらの実を結ぶのです。

ヴァスーラ・リデン様は私の最も敬愛する方で、私たちはここ20年以上にわたって、素晴らしい関係を継続してきました。私たちの以前にも、1999年、日本の広島の仏教寺院において講演を行われています。1998年、ヴァスーラ・リデン様による「神のうちのまこと のいのち」の読者の会は、世界中の助けを得られない子どもたちに食事を与える「ベス・ミリアム」を設立するという重要な第一歩を踏み出されました。私たちのダルマラジカ孤児院の孤児たち、極貧の子どもたちは、このベス・ミリアムのプロジェクトから最も恩恵を受けています。人類に神的な愛がなければ、このような計画は決して考えられなかったでしょうし、前進することもなかったでしょう。

2002年以来、私はエジプト、レバノン、トルコ、ギリシャ、イタリアにおける巡礼に参加する機会をいただき、この機会を通じて、世界の誉れ高い息子たち、娘たちと出会うことができました。とくに、平和と一致を愛する人々です。すべての「神のうちのまこと のいのち」の巡礼は、私にさらなる尊厳と栄誉を与え、友情と兄弟関係、一致の絆を大きく強めてくれました。尊敬するヴァスーラ・リデン様は、世界じゅうのさまざまな地域にいる、助けを得られない極貧の子どもたちに加えて、世界の平和を愛する人々から、数え切れないほどの感謝と報恩の念を受けるに値します。

ヴァスーラ・リデン様は、その協力者の方々と共に、ご親切にも、バングラデシュに何度も訪れてくださいました。私たちの団体であるバングラデシュ・ブッダ・クリスティ・プラチャール・サンガは、ヴァスーラ様を事務所へとお迎えし、バングラデシュの平和金賞を授与させていただくという貴重な機会に何度かあずかりました。勲章授与式における賓客の方々は、私たちが敬愛する首相閣下を含め、その貴重なお話に対して感銘を受けました。そこでは、一致がもっとも強調されておりました。

最後に、皆様に心からお願いしたいことは、伝わりやすい雰囲気を醸成するために貢献していただきたいということです。私たち皆が共に平和のうちに生きることができるように。なぜなら、私たち皆は一つの大きな家族だと思うからです。
皆様、ありがとうございました。