ヴァルソロメオス全地総主教、聖山アトスの修道士たちにカトリックとの再統合は不可避と語る
2019年12月2日 お知らせ
記事ソースはこちら (Union of Orthodox Journalists)
2019年11月27日
(要点のみ和訳)正教会の名目的なトップであるヴァルソロメオス全地総主教は、ギリシャ国内の宗教的独立国であり、正教会にとって重要な地である聖山アトスの修道院長と修道士たちに、「カトリックとの再統合は不可避である」「現存するカトリックと正教会の分裂はただの歴史上の出来事に過ぎない。教義上の違いはない」「カトリックは私たちとまさに同じく、キリスト者である」と述べた。
誰も表立って反論はしなかったが、多くの修道士たちがこれを聞いて困惑し、中には涙を流す者もいたという。総主教は最近の他の集会においても、他教派のキリスト者たちとの対話、とくにカトリックとの対話は、コンスタンティノポリ総主教として優先事項の一つであると述べた。
解説:多くの正教徒にとって、カトリックは長年(1000年!)忌避されてきた異端的存在であり、ロシア正教会ではかつて異端的宗教リストのトップに挙げられていたほどです。一昔前、日本ハリストス正教会の主教が「フィリオクェ主義者(=カトリック)の聖体だけは死んでも食らってはならない」と言ったとか。しかし今回の教皇の来日ミサには、東方教会の主な主教様方が友人として出席されるほどに関係は改善しています。
この中でコプト正教会の方々は、彼らの日本での司牧のために、「神のうちの
今回巡礼でご一緒したパウロ・ヤノチンスキ神父はアトス山を訪問したことがあるそうで、現地の修道士たちにも様々な意見の相違があり、一致に前向きである人々と、反対する人々が混在していたそうです。ある修道士は、自分がカトリックの司祭であることを告げると、「あなたたちが地獄に行くことがとても残念です」と言ったとのこと。ですから、全地総主教に上記のように言われることは、保守的な考えを持つ人々に取っては晴天の霹靂か、あるいは敗北のような感覚を持ったのかもしれません。しかしながら、過去の分裂を継承し続けることこそ真の敗北であることに、多くが気づき初めているのです。
トルコ政府は従来の政教分離政策からイスラム主義へと転換しつつあり、キリスト教徒への弾圧を強化してきています。名目上は正教会のトップといえども、他国の正教会が従順に従うわけでもなく、総主教は常に厳しい立場に置かれています。一例が、2018年に行われた主教会議(正教聖大シノド)で、ウクライナ正教会の独立に関する問題で、最有力のロシア正教会が総主教庁と関係を断絶するという出来事もありました。国毎に分裂してしまった正教会の中で、兄弟間の和解、カトリックとの一致に賛同する声が年々強まっているのを見ることができます。
私たち「神のうちの