教皇レオ十四世と正教会のヴァルソロメオス総主教が「一致のための共同宣言」に署名──宗教を暴力の正当化に用いることを明確に拒絶

2025年12月1日 お知らせ

カトリックニュースワールドの記事を和訳

2025年11月29日

トルコへの使徒的訪問の三日目、教皇レオ十四世はイスタンブールの聖ゲオルギオス総主教座大聖堂を訪れ、ヴァルソロメオス全地総主教と共に厳かな栄唱(ドクソロギア)を唱え、両教会が完全な交わりの回復を目指して歩む決意と、宗教を暴力の正当化に用いることを拒絶する姿勢を再確認する共同宣言に署名した。

教皇レオ十四世 トルコおよびレバノンへの使徒的訪問
ニカイア公会議1700周年記念巡礼(2025年11月27日〜12月2日)
ヴァルソロメオス全地総主教との会見および共同宣言署名
2025年11月29日(土) イスタンブール・総主教館

共同宣言

「恵み深い主に感謝せよ、
いつくしみはとこしえに。」
詩編106・1

(署名の映像は45分から)

一番最初に召し出された使徒アンデレの祝日の前夜、私たち、教皇レオ十四世とヴァルソロメオス全地総主教は、この兄弟的出会いの恵みに心からの感謝を捧げます。先人たちの模範にならい、主イエス・キリストの御心に従い、私たちは愛と真理において完全な一致の回復という希望へ向けて、対話の道を揺るぎなく歩み続けます。キリスト者の一致は人間の努力だけで生まれるものではなく、上から与えられる賜物であることを自覚し、私たちは両教会のすべての構成員に呼びかけます。主が父に祈られた、「父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、すべての人を一つにしてください……そうすれば、世は信じるようになります」(ヨハネ17・21)という祈りの実現を熱心に求めていただきたいのです。

325年に開かれた第一ニカイア公会議は一致の出来事でした。1700周年の記念は、単に歴史を思い起こすためではなく、当時語られた聖霊に今日も心を開き、現代の課題に向き合うための促しです。私たちは今回の記念に参加した他の教会・教会共同体の指導者・代表者に深く感謝します。完全な一致への道に立ちはだかる障害を神学対話によって取り扱う必要がある一方、私たちを結びつけているもの──ニカイア信条に表される信仰──を忘れてはなりません。

すなわち、まことの神から出られたまことの神、御父と同じ本質の御子であり、私たちのため、救いのために受肉し、十字架につけられ、死に、葬られ、三日目によみがえり、天に昇り、やがて生者と死者を裁くために再臨される主イエス・キリストです。この御子によって、私たちは聖三位一体の神の神秘へと導き入れられ、御父の子として、キリストと共同の相続人となる恵みにあずかります。この共通の信仰により、私たちは相互尊重のうちに、直面する課題へ希望をもって協力することができます。

この記念は、新しい勇気ある歩みを促すものです。ニカイア公会議は、すべてのキリスト者が共に祝う復活祭の日付の算定基準を示しました。今年、キリスト教世界が同じ日に復活祭を祝ったことを、私たちは神の摂理として感謝します。私たちは毎年ともに主の復活を祝う可能性を探り続けたいと思います。「“霊”によるあらゆる知恵と理解によって」(コロサイ1:9)、すべてのキリスト者がこの歩みに協力してくださるよう祈り、願っています。

今年はまた、教皇パウロ六世と全地総主教アテナゴラスが1054年の相互破門を撤回した共同宣言(1965年)の60周年でもあります。その預言的な行動が、両教会を信頼・尊敬・兄弟愛のうちに対話の道へ導いたことを、私たちは神に感謝します。同時に、いまだ対話に躊躇する人々には、「“霊”が諸教会に告げることを聞くがよい」(黙示録2:29)という招きを受け取っていただきたいのです。今、この歴史の時に求められているのは、世界に平和・和解・一致の証しを新たに示すことです。

私たちは、カトリック教会と正教会の国際合同委員会が、歴史的に分裂の要因となってきたテーマに取り組んでいることを支持しています。神学対話は不可欠ですが、それだけでなく、兄弟的交流、共なる祈り、協力可能な分野での共同の働きも重要です。私たちはすべての信徒、とくに聖職者と神学者に、これまでの成果を喜び、受け入れ、それをさらに成長させるよう強く求めます。

キリスト者の一致の目的には、すべての民族の平和に根本的に寄与するという使命も含まれています。悲しいことに、世界の多くの地域で、今も戦争と暴力が人々の命を奪っています。私たちは政治・社会の責任を負う人々に、戦争の悲劇を即刻終わらせるために可能な限りの努力を求めます。また、すべての善意の人々にこの訴えへの支持を願います。

とりわけ、宗教や神の名を暴力の正当化に用いるいかなる行為も、私たちは拒絶します。真の宗教間対話は、混合主義や混乱を生むのではなく、異なる伝統と文化を持つ人々の共存に不可欠です。『現代世界における非キリスト教徒に対する教会の態度に関する宣言』発布60周年を念頭に、私たちはすべての善意の人に呼びかけます。より正義に満ち、互いに支え合う世界を築き、神が私たちに委ねた被造物を大切にしていただきたいのです。そのとき、人類は無関心、支配欲、利益への貪欲、外国人嫌悪を克服できるでしょう。

私たちは現在の国際情勢に深い危機感を覚えていますが、希望を失いません。神は人類をお見捨てにはなりません。御父は独り子を遣わし、御子イエス・キリストは聖霊を与え、私たちに神のいのちを分かち与え、人間の尊厳を守ってくださいます。聖霊によって、私たちは神が共におられることを知り、体験します。

ゆえに私たちは祈りのうちに、飢え、孤独、病い、その他の困難に苦しむすべての人を神に委ねます。そして、人類家族の一人ひとりに、「心を励まされ、愛によって結び合わされ、理解力を豊かに与えられ、神の秘められた計画であるキリストを悟るように」(コロサイ2:2)という恵みが与えられるよう祈り求めます。