今日のパウロ神父の説教より──ウクライナ対ロシア、ダビデ対ゴリアテのストーリーの現代版
2022年3月12日 in お知らせ
CBSニュースの記事を和訳
独裁者の指揮下にある巨大な侵略軍……包囲された小国、その指導者は逃げようとしない。ロシアのウラジーミル・プーチンに対するダビデ対ゴリアテの戦いで、屈しない国家を率いているウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領に世界中が注目している。
モ・ロッカ特派員は、ロサンゼルスのウィルシャー・ブルバード神殿の上級ラビであるスティーブ・レダー氏に、「ゼレンスキーの残留が明らかになったとき、どう思いましたか?
」と尋ねた。
「彼はリーダーだと思いました」、ラビは答えた。「彼はダビデだ、そしてプーチンは臆病者だ」
「ウクライナの老女が地下室で火炎瓶(モロトフ・カクテル)を作っているんだ。これがダビデとゴリアテの物語でないというなら、何だというんだ」
聖書の「ダビデとゴリアテ」の物語でイスラエルの民は、ペリシテ人と巨人ゴリアテに劣勢を強いられている。羊飼いの少年ダビデは投石具と5つの滑らかな石で武装し、ゴリアテに挑む。
ダビデは一撃で巨人を倒し、ペリシテ人は逃げ出す。
レダー氏は言う。「私たちの誰もが、恐ろしいほどの困難に一度は直面したことがあるはずだ。このように、強力なナルシスト──率直に言えばいじめっ子が、自らの扇動(デマゴギー)とナルシシズムの重さに押しつぶされて終わるような話はたくさんある」
思いがけずウクライナの大統領になった教師役で有名になったゼレンスキーの、実際の大統領としての言葉は、国を越えて人々を奮い立たせている。「たとえ聖堂や教会をすべて破壊しても、ウクライナの神への誠実な信仰を破壊することはできない」と彼は言った。
レダーは言う。「彼はソ連でユダヤ人として育ったんでしょう。彼はよそ者(アウトサイダー)であることの意味を理解しているんです」
ロッカは尋ねた。「ソ連のユダヤ人は、パスポートに特定のマークを押されていたんですよね?」
「その通り。パスポートに黒い印がついていて、あなたはのけ者ですと書いてあるんです。だから彼はいじめっ子を理解しており、今あるもので最善を尽くさなければならないことを理解している。それが彼のDNAなのだ──プーチンがゴリアテのDNAを持っているように。力こそ正義であり、指導者は自国民の苦しみに責任を負うことはないという。
ロシアが無慈悲な前進を続けるなか、ゼレンスキー──44歳の夫であり父親でもある──は、今のところ断固とした姿勢でいる。「自由と尊厳のほかに、我々には失うものなどない、それこそが我々の最も尊い宝物なのだ」。
ロッカは言う。「自分だったらどうするかと自問するのは私一人ではないはずだ。私はそのような人間になれるだろうか?」と。
「よく思い出す古いイディッシュ語の格言がある。『やらなければならなくなったら、できる』というものだ」レダーは言った。「5年前のゼレンスキーに『5年後にウラジーミル・プーチンとロシア軍に立ち向かう男になれると思うか』と尋ねたら、彼はノーと言ったかもしれない」
しかし、ラビの指導者は、これほど大きな挑戦には、ある種の信仰も必要だと言う。「ダビデになるためには、ゴリアテの全権を拒否する必要がありますよね? 拒否することが必要なのです。この話の真意は、勇気をもってすれば必ず勝てるとは限らないが、とんでもないチャンスがある、ということだ」