2019年ギリシャ巡礼・ミシェル・タオ・チャン師

Cercle de Reflexion des Nations (CRN)会長および創立者
欧中文化発展形成(SED―FC)事務局長

<互いへの神的な愛は、私たちを一つに結び、神のうちに一致させる>

Ⅰ. 序文
私たちの存在そのものについて黙想することにより、「どの霊魂も潜在的に神聖なものである」という深い啓示が与えられます。私たちのゴール(目標)は、自身の内にある神性が現れることであって、それは私たちが外面的にも内面的にも命の本質において「互いに結ばれている」ということを意識的に直視することによってなされます。
そのことを、仕事、あるいは礼拝、あるいは心霊能力、あるいは哲学といったもののどれか、もしくはその二つ以上、もしくはその全てを通して行い、その結果、自由になることなのです。これが宗教の全体像です。教義や信条、儀式、文書、神殿、形式、こうしたものは二の次のことなのです。

マントラ(真言)は、『内にある神聖な愛によって、分裂した私たちがどのように結び合わされるか』です。

Ⅱ. ムーランが母を救済した(地獄から母を救い出した)法話

ブッダ(釈迦)の四大弟子
1. 舎利弗(シャリホツ):「知恵」の長(知恵第一とも称される)。
2. 目犍連(モクケイレン。目連[モクレン]とも):超自然的能力(神通力)における長(神通第一とも称される)。中国仏教では、餓鬼道(仏教で説く六道の一つ)に落ちた母を救ったとされ、これが盂蘭盆会(ウラボンエ。お盆。死者の霊をまつる行事)の起源となっている。

3. 大迦葉(ダイカショウ):苦行の長(頭陀第一とも称される)。ブッダの死後、出家修行者たちの統率者となり、五百名の弟子たちと共にブッダの言葉を編集し(第一回仏教徒会議)、ブッダの教えを直伝する最初の説教者となった
4. 阿難陀(アーナンダ):弟子たちの中でブッダの教えを最も多く聞いたとされる(多聞第一とも称される)。阿難陀(アーナンダ)とは大いなる喜びという意味。第一回仏教徒会議において編集されたブッダの言葉は、彼の記憶が基盤となっている。百二十歳まで生きたとされる。

ムーランが母を救済した(もしくは母を地獄から救い出した)話は、中国・アジア仏教徒において有名な法話である。

目犍連(モクケイレン)は、自身の神通力を用いて、亡くなった両親を探し、両親がどの世界に再生したかを知ろうとした。父親は天国に見つけたが、そこに母親を見つけることができなかったのでブッダに助けを求めた。ブッダが目犍連を母親のもとに連れて行くと、そこは地獄であり、目犍連は彼女を救い出すことができない。先祖伝来の寺を通じて彼女のために供物として食べ物を供えようとするが、供えようとする度に食べ物は突然燃え上がり炎に変わってしまった。そこでブッダに助言を求めると、ブッダの弟子である出家修行者たちに施しをすれば、それが母親にまで届けられると言った。その施しは母親が天国に再生するのを助けたばかりでなく、両親と先祖を含む七世代を助けるに至った。

第七番目の太陰月の第十五日は、亡くなった霊魂の祭り日とされる。ムーランの母親に対する献身的な愛は、インドや中国、アジアにおける仏教の中に存在する家族(親族)への忠誠心を強く暗示している。

結論
ムーランが地獄から母親を救い出した法話は時空を超えたものであり、以下のことが導き出される。
-この地上と共に、地獄も天国も存在する。
-現在は過去とつながっており、将来を準備するものであるが、実在するのは現在だけである。
-私たちの努力が究極的に到達するのは神聖な愛であり、それは神のうちにあり、私たちの一致のうちにあるということ。
-従って、私たちの日々の生き方が、自分自身を築き、世界全体を築き、疎外される人は誰もいないということである。

参考文献:
-Karaluvinna, M. (2002), “Mahā-Moggallāna”, in Malalasekera, G. P.; Weeraratne, W. G. (eds.), Encyclopaedia of Buddhism, 6 (fasc. 3),
-Buswell, Robert E. Jr.; Lopez, Donald S. Jr. (2013), Princeton Dictionary of Buddhism. (PDF), Princeton, NJ: Princeton University Press, ISBN 978-0-691-15786-3
– Nyanaponika Thera &, Hellmuth Hecker Great disciples of the Buddha: Their lifes, their works, their legacies (the teaching of Buddha), June 2003